気が付けば袁術の紹介、3回目じゃな。
今回は袁術絡みのちょっと変わったエピソードと能力評価をやっていこうと思うんじゃ。さて、それでは袁術のその他の話について、見ていくとしようかのう。
さて、今回は袁術の変わった話と能力評価じゃな。
そんなに変わった話があるんでしょうか?
どうじゃろうな、まだ本伝以外の話は見ておらんから、正直わからん部分もあるんじゃよ。
行き当たりばったりですね、大丈夫ですかw
まあ史書の索引を見る限り、かなりの個所fで引っかかっておるから何とかなるじゃろう。ボリュームだけなら張飛以上じゃ。
そこそこ多そうですね、それでは紹介をお願いします。
人物紹介
やはり、兄弟・・・?
皇甫謐の『逸士伝』によると、王儁と言う人物の紹介のところに、袁紹と弟の袁術が母を失い、葬儀のために南陽に帰っている時、王儁は曹操と共に葬儀に参列した、と言う記述があるんじゃ。
この時に曹操は
「天下は乱れようとしている。動乱の中心人物となるのは必ずこの二人だぞ。天下を救い、人民のために命乞いを願うならば、この二人を先に始末しないといけないと、動乱は今に起きる。」
と言ったそうなんじゃ。
まあこんな物騒な会話誰が聞いていたんじゃ(葬儀の場で、もし袁兄弟の耳に入ったら、ただでは済まないだろうに)ということで恐らくは創作じゃろうがな。三国志は正史も注釈もこう言う、「誰が聞いていたんじゃ!?」と突っ込みたくなるような話が多いんじゃが、これはもう仕方ないのう。
皮肉なことに、それら真偽不明な逸話が人物に奥行きを持たせておるんじゃから、面白い話じゃな。しかしこのエピソードを見ると袁紹と袁術自体はやはり兄弟だったように思えるのう。
実は帝位には付いていない?
『魏武故事』に曹操の布告が乗っているんじゃが、ここに袁術のことが書かれておるんじゃ。
「~前略~、また袁術が九江で帝号を僭称した時、彼の配下の者は皆、門に建号門と名付け、着るものは全て天子の制度に則り、二人の夫人が早手回しに皇后の地位を争いあった。意志も計画も既に決定してから袁術にこのまま帝位につき、天下に公表せよと勧める者がいたが、(袁術は)『曹公がなお存在しておる、まだいかん。』と答えた。~後略~」
とあるんじゃな。
この帝号と帝位の明確な違いはあれこれ調べてみたが良く分からんかったんじゃ。ともあれニュアンス的には皇帝の一歩手前で袁術はとどまっておった、と言うように感じられるのう。
孫策に対する意外な対応
孫策の騎兵で罪を犯した者がおり、彼は袁術の軍営に逃げ込み、奥の厩に隠れたんじゃ。
孫策は指図して人を遣って袁術の軍営の中に入って、これを斬らせたんじゃな。ことが終わると袁術の下に行き、(勝手に軍営に入ったことを)謝罪したんじゃ。
すると袁術はこう言ったんじゃ。
「兵士たちはともすれば命令に違反しがちであって、我々は皆それを憎まねばならぬ。どうして謝罪などされることがあろう。」
何かちと袁術っぽくない対応じゃと感じるのは毒されすぎかのう。少し袁術の意外な側面じゃな。
陸績とのエピソード
陸績と言う陸遜と同族の人物がいるんじゃ。本来は彼が陸氏本家筋の人物だったんじゃが、陸遜よりも一回り年が若く、一族を統率できる状況になかったので、陸遜が代表となっておったんじゃよ。
陸績自身もなかなか優れた人物なんじゃが、袁術との間に以下のようなエピソードがあったんじゃ。
陸績が6歳の時、九江において袁術に目通りしたんじゃ。袁術がみかんをお菓子として出したところ、陸績はその内の三つを懐に入れ、退出しようとお辞儀をしようとしたところ、みかんが床にこぼれ落ちてしまったんじゃ。
袁術は次のように言ってからかうんじゃ。
「陸郎は人に招かれた席ではみかんを懐に隠されるのか。」
陸績はひざまずいて答えるんじゃ「母に持って帰ってやりたいと思ってのことです。」陸績の孝行ぶりを見て、袁術は陸績を普通の子とは違っていることに大きな感銘を受けた、とあるんじゃよ。
この辺りも袁術っぽくない対応じゃのう。俗に言うジャイアン理論と言うヤツじゃろうか。こちらも少し袁術の意外な側面じゃな。
さて、これで主だった話は終わりじゃな。あんまり以外でもなかったかもしれん。まあ袁術は孫呉の人物たちとかかわりが深いので、これからもちょくちょく出番があるじゃろう。
それでは能力評価いくぞい。もちろん今回は全作品に出ておるのう。
能力評価
袁術は自ら主導で袁紹・曹操包囲網を形成したことから、戦略面はそこそこの才能があったと思うんじゃ。そのために知謀を高めとしておる。また袁紹の宦官誅滅の際に彼自身も兵を率いて自ら剣を振るって宦官を誅殺していったんじゃ。本人も侠気がある、とのことだったことから軍事も一定以上の評価としたんじゃ。
じゃが、自己顕示欲が強く自己中心的で、政治を顧みなかったことから統率と政治の評価はどうしても抑えざるをえなくなってしまうのう。せめてもう少し統治がマシだったら、とは思うんじゃがのう。
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雑談ぢゃ
さて、袁術の能力評価じゃな
師匠は軍事が高く統率が低いですが、他の作品は皆統率の方が高いですね。
そうじゃな、ワシは宦官誅滅の際の行動力などを軍事として評価したんじゃが、この辺りは難しいのう。
天舞さんは政治が微妙に高いですね。何があったんでしょうか。
うーむ、これは良く分からんのう。皇帝になったこととかが影響しておるのかのう。
うーん、ちょっともやもやしますね。
まあじゃが、人の評価なんぞ、万人が納得いくものとなるのは難しいからのう。ワシの評価だって納得いかん、となるものは多数あるじゃろう。逆に納得ずくにならん方が健全と言うもんじゃ。さて、今回はここまでじゃな。良ければ次もまた見てくだされ。
当分は袁術陣営の紹介ですね。よろしくお願いします。それと他の人物を見たいときは以下の人名索引から見ていってください。