三国志に釣られクマー

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三国志好きの三国志好きによる三国志好きのための何か

鄭泰(ていたい) 字:公業(152~192?)その1

さて、今回紹介する人物は鄭泰じゃな。字や生没年は正確なところは不明じゃが、李傕達から逃れ、袁術から揚州刺史に任命されたがその途上41歳で死去した、とあるので、152年頃の生まれと思われるんじゃ。

 

さて、今回紹介するのは鄭泰じゃな、彼のことも知らん人は多いじゃろうかのう。

どうも、張郃だ。鄭泰殿は確か・・・鄭渾殿の兄ではなかったか。 

演義しか見ていないとどちらも分からないですね。

ふむ、なかなか優れた名臣であったが、分からんか、仕方のない話だな。 

まあ鄭渾は地方の名臣じゃからのう。演義じゃと彼のようなタイプの人物は、呉蜀との戦績に絡みがなければ、出番がほとんどないことも多いからのう。

隠れた名臣と言うことですね。

そういうことじゃな、さて、それでは早速見ていくとしようかの。

人物紹介

鄭泰の慧眼

さて、鄭泰の情報のほとんどは『鄭渾伝』のところに載っておるんじゃ。裴松之注釈で張璠の『漢紀』のによると、鄭泰は字を公業と言い、若い頃から才能知略があり、はかりごとに長けていた、とあるんじゃ。鄭泰は世の情勢から天下が混乱するであろうと判断し、ひそかに豪傑たちと付き合っておったんじゃ。

家は財産豊かで四百頃ほどの田地があったと言うんじゃ。

 

豆知識

四百頃がどの程度の広さかちと調べてみたんじゃが、後漢から魏晋にかけて一頃は4.6~5.0ha(ヘクタール)とのことなんじゃよ。

と言うことは四百頃と言うのはざっくりと2000ha程度じゃろうか。

良くある東京ドームで言うと400個分がすっぽり入ってしまうサイズと言うが、まあそもそも東京ドームがどの程度の広さなのかが、数字上の数値は分かっておっても、具体的な広さのイメージが湧いてこんのは自身の欠点じゃな。

と言うか一頃がちょうど東京ドーム一個分、と言うことか。逆にこちらの方が分かり易いと言えば分かり易いことになるのかのう。

ともあれ、かなりの資産家であった、と言うことは確かなのではなかろうか。恐らく東京ドーム一個分でも鄭泰一人で農地を何とかはできんじゃろうから、多数の小作人(のような人達)を雇っていたはずじゃ。

 

さて、それほどの資産家であった鄭泰であるが、それでも世の豪傑らとの付き合いのため、食料はいつも不足していた、とあるんじゃ。ただし、彼の名声は中原の東部、山東方面に聞こえ渡っておったようじゃがな。

相当な資産家であり、少々変人でもあるな、この辺りは魯粛にも通じるところがありそうだ。 

こういう型破りの人物でなければ、逆に世の混乱を収束させるのはなかなか難しいかもしれんのう。

何進の下にて

さて、その後孝廉に推挙され、三公や宮中から召されたがいずれも応じなかったんじゃが、何進が名士を召し出して起用した時はこれに応えたんじゃ。鄭泰は尚書侍郎し、奉射都尉の官を加えるんじゃ。

丁度この頃、何進は宦官を処刑しようとし、董卓を召し出して助力させようとしたんじゃ。鄭泰は董卓の危険性を見抜き、以下のように進言するんじゃ。

董卓は残忍で道義心に乏しく、あくなき欲求を持っております。もし彼に(宦官殺害の)大事を任せますれば、その心のままにふるまい、朝廷を危険に陥れましょう。明公のご威光ご恩徳の上に、宰相の重責を占めておられますからには、心を固めて一人で決断し、罪ある者を処罰し除いてください。

実際、董卓の到来を待って後立てとすることはありません。それに事態が引き延ばされると異変が起こるものです。その手本は近くにございます。」

また当時の要務について進言したが、何進は採用しなかったんじゃ。そこで彼は官を捨てて去ったんじゃ。

潁川の荀攸と会うと彼に「何公を補佐するのは大変ですな。」と話したそうじゃ。

ここで荀攸殿が出てくる辺り、ネットワークの広さが伺えるな。

鄭兄弟は河南の出身じゃから、比較的潁川に近いとは言え、コミュニティとしてはまた別であろうからのう。

董卓の専断

鄭泰の進言を聞き入れなかった何進は間もなく殺害され、董卓は鄭泰の予想通り、権力を握って専断し、少帝を廃位させるという暴挙に走るんじゃ。

関東では義兵が蹶起し、袁紹を盟主とした反董卓連合軍が集結してきておる。

そこで董卓は会議を開き、兵を徴発しようとしたんじゃ。

官僚たちは皆董卓を恐れて、思い切ってその考えに反対できる者はいなかったんじゃよ。このままでは董卓がますます強力になり、抑えることが困難になる、と考えた鄭泰は次のように言ったんじゃ。

「そもそも政治の成否は道徳にかかっているのであって、兵力にかかっているのではありません。」

途端に董卓は不機嫌になり言うんじゃ。

「ほう、そう言うことなら兵力は役に立たぬ、と言うのか。」

もし下手なことを言えば、その場で斬られるやもしれぬ、と言う状況で、人々は顔色を変え、鄭泰のために震えおののかない者はいなかった、とあるんじゃ。

鄭泰殿の危機だな。どのように切り返し、この場を凌ぐことができるのか。ある意味では腕の見せ所と言うことか。

そうじゃな、こう言うところで意見を言い、うまく董卓が兵力を増強させようとするのをいかに防ぐか。当然はかりごとに長けている鄭泰には成算があるのじゃろうな。

さて、少々短いが、キリのいいとこなので、一旦ここで終わるとしようか。如何に董卓の暴走を食い止めるのか、皆さんも想像してみてくだされい。

相変わらず、いいところで話を引っ張るなw

 

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