さて、今回は宋建の紹介じゃな。今までもぼつぼつ名前は出てきておったが、関中方面では最大の食わせ者と言えるじゃろうか。字や生年は不明じゃが没年は214年じゃ。彼はどんな人物だったのか、見ていくとしようかのう。
さて、今回は宋建の紹介じゃな。
どうも、張郃だ。宋建か、史書を見ると扱いが軽すぎるのが気になる人物だな。
ちょこちょこと名前が出てきていましたが、そんなに大層な人物だったのでしょうか。
まあ、どういう部分を見るかにもよるがな。ただ日本の戦国時代で、30年以上地方で大勢力を保った大名と考えたら、そう侮れる勢力とは言えないのではなかろうか。
辺境ゆえに生き延びられた、としても関中軍閥が割拠し、しかも馬騰や韓遂等が互いに争ったりしている中で30年以上生き延びるのも簡単ではないからのう。
さて、それでは宋建について見ていくとしよう。
よろしくお願いします。
人物紹介
さて『献帝春秋』によると、涼州義從の宋建と王國らが、叛くんじゃが、この時辺章と韓遂(この頃は韓約と名乗っておったんじゃ)等を人質としたんじゃ。
どうも宋建は彼らに軍政を任せようとしておったんじゃよ。
これが184年頃の話で、これより以前から宋建は後漢から自立し、独自の王国を築いておったといえるじゃろうな。
しかもこの時宋建が名乗っておった称号が河首平漢王、つまり漢を平らかにする(平定する)と明らかに漢に対して反乱の意思を示し、枹罕に軍勢を集結し、改元して丞相以下、百官を設置しておったんじゃ。
丞相以下百官を設置し、改元までしていることからも、本格的に国家運営を行っていたことが分かるだろう。しかも平漢王と言うふざけた名を名乗っている。
ここまでのことをやった賊は他に袁術や遼東の公孫度ぐらいじゃろう。しかも速攻で滅びた袁術や、表向きは後漢(魏)に臣従しておった公孫度と違い、表立って後漢に反旗を翻しておきながら、30余年それを維持しておったんじゃ。
西方を攻めるのは容易ではなかったであろうが、張郃殿達にとっても悔しい思いをしておったのではなかろうか。
じゃが、ついにこの支配も終わりを迎えることとなるんじゃ。曹操の指令により夏侯淵は諸将を統率し、宋建の討伐に向かったんじゃ。夏侯淵は到着すると枹罕を一月余り包囲し、冬10月に枹罕を陥落させ、宋建と彼が任命した丞相以下の官吏を斬り、他の地域も張郃殿等に攻め落とさせ、隴西方面を平定したんじゃよ。
祭祀もきちんと執り行っていたらしいが、記録が残っていなのは残念だな。もし陳寿のような人物が生き残り、この国の詳細の記録を残していたら、魏呉蜀以外に、遼東公孫氏、そして枹罕の宋建をあわせて五国志になっていたかもしれないな。
ちなみに『傅子』によると、この包囲の最中であろうか、宋建は牛を屠って神に祈ったが、逃れられないと絶望したのか、結局焼身自殺をしたとあるんじゃ。
上では斬られた、とあるのでどちらが正解なのかは分からんが、夏侯淵の包囲の時に死亡し、滅びたのは間違いなさそうじゃのう。
『献帝伝』によると、曹操を魏王にしようとした献帝の詔勅には、宋建は韓遂とセットで出てきて、益州の蜀と手を結んで後漢王朝に反旗を翻していたと記載されているんじゃよ。他にも宋建と同等の群雄として、韓遂・張魯・劉璋辺りと並んで名前が出ていることから、かなりの大物であったことが伺えるんじゃよ。
さて、これにて宋建の紹介は終わりじゃな。これだけの大物の記録が、ほとんど残っていないのは残念じゃのう。さて、続けて能力評価と行こうかのう。彼は・・・何と全作品に登場しておらんのかいな。ワシの評価のみじゃな。
能力評価
宋建は混乱期の関中西部で一大勢力を築き、30余年もそれを維持しておったことから統率を特に高め賭したんじゃよ。また策を巡らし、韓遂を引き込んだりしたことからも、頭の回転も速かったと思えるんじゃ。
その一方で、後漢(曹魏)には反抗的で、攻められたら1か月ほどで落ちていることから、軍事はそこまで高くはなかったのではなかろうか。政治的判断も問題があったと思われ、軍事と共にやや抑えめの評価じゃな。
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雑談ぢゃ
さて、宋建の能力評価じゃな。
記録があまり残っていない割には、結構高い評価なのだな。
30年以上勢力を維持したことを師匠は評価しているのですね。
あれだけの混乱期、それも関中西の地域で勢力を維持していた、と言うだけで並の群雄ではないと言えるからのう。
韓遂以上に裏で暗躍していた人物と言えるだろうからな。
そうじゃな、じゃからワシは知謀も結構高めの評価としたんじゃ。もう少し記録は欲しかったのう。丞相に任命された人物がどんな人じゃったのか。記録がないのが残念じゃ。さて、今回はここまでじゃな。次もよろしく頼むぞい。
よし、それでは俺も帰るか、次もよろしく頼む。
張郃さん、お疲れさまでした。次もよろしくお願いします。他の人物に興味ある方は、下の索引からご覧くださいね。