三国志に釣られクマー

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三国志好きの三国志好きによる三国志好きのための何か

黄蓋(こうがい) 字:公覆(?~?)その1

さて、今回は黄蓋の紹介じゃな。字は公覆、生没年は不明じゃな。さて、黄蓋と言うと赤壁の火計が有名じゃが、彼はたまたまあの計を思いついたんじゃろうか。気にはならんかのう?

 

さて、今回紹介するのは呉の名将黄蓋じゃな。

どうも、張郃だ。ふむ、黄蓋か・・・なあ弟子よ黄蓋と、そうだな程普を比較すると互いにどんな印象かね。 

黄蓋と程普ですか・・・そうですね、私の知っている二人のイメージはゲームに準拠するので、黄蓋が武力が高くて、程普がバランス型、と言う感じですね。

なるほど、これは話を聞くとイメージが変わるかもしれんのう。それでは見ていくとしようかのう

人物紹介

名族の出身?

さて、『黄蓋伝』の『呉書』を見ていくと黄蓋は元南陽太守であった黄子廉と言う人物の子孫であって、彼の子孫が各地に散らばった時、黄蓋の家は祖父の代に零陵に移り住んだ、と言う話じゃ。

じゃが、黄蓋は幼くして父を亡くし、若い時から不幸が重なって、つぶさに辛苦をなめた、とあるんじゃよ。

しかし大きな志を持って、貧賤の中にあっても、自らを凡庸な人々の列に落とすことなく、薪取りのヒマにはいつも上表文の書き方を学び、兵法を研究した、とあるんじゃ。

しかもこの後、郡の役人になった後孝廉に推挙され、三公の役所から官に就くよう招聘を受けた、とあるんじゃよ。

偏見ではなく一介の武官、それも身寄りのない人物が、孝廉に推挙されることはそうそうない。祖先の名前も残っていることから、黄蓋はかなりの名族の出であった可能性はあるな

しかも上表文の書き方を学んだり、兵法を研究するなど、インテリ要素もある。そう考えると、董卓陣営で既に名前の出ておった黄琬との関係も気になるのう。あちらもバリバリの名族じゃし、黄蓋の出身地とも近い江夏の出身じゃから何某かの関係はありそうじゃな。

孫呉三代の下にて

その後、孫堅が義兵を挙げると、黄蓋もそれに加わった、とあるんじゃ。南に不服住民を撃ち破り、北に董卓を攻めると黄蓋は別部司馬の官を授かったんじゃ。孫堅が亡くなった後は孫策に、そして孫権の配下となり、自ら甲冑を付けて各地を転戦し、白刃をおかして城々を攻略した、とあるんじゃ。

わざわざ、「自ら甲冑を付けて」と書いてあるのがミソだな。本来なら名士層側の黄蓋だからこそ、このような書き方になったのではなかろうか。

この黄蓋の働きは孫権達の信頼を得て、山越達で恭順を示さず群盗が荒らしまわっている県があると、いつも黄蓋がその地の長官に任じられた、とあるんじゃ。

有能なのも考えようではあるのう。

黄蓋にしてみれば、毎度毎度メンドクサイ土地にあてがいおって、と思ってもおかしくないところじゃが、文句も言わずに統治をおこなっておったようじゃな。統治の代表例を次に載せていこうかのう。

黄蓋の統治ぶり

石城県の役人たちは綱紀が乱れて特に手が負えない状態であったが、黄蓋はこれに対処するために二人の掾(属官)を任命し、二つに分けてそれぞれの官署を司らせたんじゃよ。更にその際命令書を出したんじゃ。

「知事(わたくし)は不徳にして、ただ武功によって公の役目を果たしており、文官としての評価を受けたことはない。いま、反逆者や侵略者がなお平定されず、軍旅の務めを辞める訳にはいかない。

文書の処理については、全てこの二人の掾に委ね、諸々の官署を監視し、過ちの糾弾摘発に当たらせる。二人の掾の所管において、収入支出の認可について、もし不正やごまかしがあったなら、鞭うちや棒叩きだけではすまさない。

おのおのその心を尽くし、人々への見せしめとして刑罰を受けたりすることが無いように。」

最後の一文が不穏な雰囲気を醸し出しているな。

張郃殿の言う通り、二人の掾は最初は黄蓋の威を畏れ、努力して職務に励んでおったんじゃが、時が経つうちに役人たちは黄蓋が文書に目を通さぬことから、だんだん情実を加えるようになったんじゃ。

黄蓋の方も綱紀が再び乱れているように感じたことから調査を行い、二人の掾がそれぞれ法律を蔑ろにしている事実を掴んだんじゃ。

そこで役人たちを全て招集して酒食を饗し、その場で事実を持ち出して二人を詰問するんじゃよ。

二人の掾は言い訳ができなくなり、二人そろって叩頭をして謝罪するんじゃが、黄蓋は言うんじゃ。

「以前に既に鞭うちや棒叩きだけではすまぬと命じてあるのだから、お前たちを欺いたわけではないのだぞ。」

そう言うと二人を死刑に処したんじゃ。これにより役人たちは震え上がり、綱紀が乱れることはなくなった、とあるんじゃ。

さて、キリのよいところじゃが、黄蓋の人柄、才能の一端は見られたんじゃなかろうか。次はいよいよ黄蓋の後半生、それと能力評価と行こうかのう。

 

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