さて、今回は孫休の紹介5回目、多分今回が最後じゃな。今回は孫休が孫綝を排除して以降、何をやっていたのか、その辺りを見ていくとしようかのう。
案内人
くまの爺・・・三国志好きのタダの爺さん、もちろん某く〇モンとは何も関係ない(それ以上はいけない)。三国志好きが高じて史書に載っているほぼ全ての武将のDB化をしてやろうと大それたことをもくろむ。終わりの目途は・・・全く立っていない。
弟子・・・師匠の無茶な道楽に付き合わされる可哀そうな弟子。最近は張郃とのやり取りが多いせいか、無駄なツッコみは減っている模様。実は弟子と書いて「ていこ」と言う名前だったりする(師匠は最近思い出したようだ)。
張郃・・・くまの爺が一番好きな武将とお話ししたい、と謎の技術で召喚された可哀そうな人物。もっとも本人は現代生活を結構楽しんでいるよう。無理やり召喚されたためか、くまの爺の持ってる範囲の記憶しか残っておらず、ちょっと残念。
四方山話
さて、今回は孫休の紹介、多分、これで最後じゃな。
孫綝を打倒すまでの孫休は普通に名君だと思いました。ですが、孫休の政治は君主としては随分低いですよね。
そうだな、どちらかと言うと軍人としての側面が強かった劉備と比較しても、孫休の政治力は下だ。
それに関してはもう、ほぼこれ以降の孫休は政治的に何もやっていないから、に他ならないからじゃな。
人物紹介
孫休の日常
孫休の日常を良く表す文言があるので、そこを見ていくとしよう。
孫休は、丞相の濮陽興と左将軍の張布とが古くから自分と親しい関係にあったことから、彼らに実際の政治を任せ、張布は宮中の官署を司り、濮陽興は軍事や行政を取りしきった。
孫休はもっぱら古典文献の研究に意を注ぎ、百家の学説を全て読み尽くそうと心がけていた。(『孫休伝』)
古典文献の研究は結構だが、それは学者のするべきことであって、皇帝本来の仕事とは言えん。
なるほど、実際の政治は濮陽興と張布に任せっぱなしで、自身は学問の研究に没頭していた、と言うことですね。
それだけでなく、父孫権譲りの悪癖も孫休にはあったようだな。
(しかしまた)孫休は雉を射つのが酷く好きで、春から夏にかけては、しばしば朝早く出かけて夜遅く帰り、この時だけは書物を読まなかった。(『孫休伝』)
孫権も猛獣狩りをしていて、張昭に君主たる者がやるべき行為ではない、と厳しく非難されていたが、孫休もこの孫権の狩好きの血を色濃く受け継いでいたようだな。
うん、なるほど、確かに孫綝関係のこと以外を取っ払うと、結構ダメ君主っぽい雰囲気がありますね。
学問好きが悪いわけではないが、学問しかしない、狩りの時期は狩りしかしない、と言うのではさすがにな。
一応、いくつかの詔も残してはいるが、そちらも少し見てみよう。
「古には国を建てると、まず教育に力を注いだ。世の中を導き人々の性格を修め、また時代の要請に応じた人材をはぐくむことを目的としてしてであった。
~中略~
現に官吏である者達や、部将・官吏達の子弟の内から学問を好み志のある者を選抜し、それぞれに五経博士の授業を受けさせるように。一年ごとに試験を課し、その成績をランク付けし、それによって官位と恩賞を与える。
このようにして、目の当たりに見る者にはその栄光を自分も得たいと願わせ、伝え聞く者にもその栄誉をうらやましく思わせて、王者としての教化を敦くし、美しい風俗を盛んならしめたいと思う。」(『孫休伝』)
これは・・・悪くはないですが、学問好きの孫休が考えそうな内容ですね。
そうだな。これは本人が考えたものと思うが、次のも少しさわりだけ見てみよう。
「朕は不徳ではあるが、諸王・諸公の上に立つこととなり、(職務の重大性を考えて)朝夕常に心おののかせ、寝と食とを忘れている。今望むことは武事を止め、文事を修めて、大いなる教化を盛んならしめたいと言うことだ。
この道を推し進めんがためには、士人も民衆たちも豊かでなければならず、農耕と養蚕とを盛んにすることが不可欠だ。
~中略~
いまここに、農耕のことを広く盛んならしめんと願い、その賦税を軽くし、良田としからざるものとを区別して耕作地に課税し、もっぱら寛大で公平ならしめるように努める。
~中略~
九卿・尚書たちよ、共にはかって最も適切な方策を取り定めて欲しい。耕作と養蚕の次節はもうやってきており、季節に遅れてはならないのだ。方策が定まればそれを施行し、朕の意図に沿って欲しい。」(『孫休伝』)
これもそんなに間違ったことを言っている訳ではあいと思いますが・・・。
これ自体が本当に孫休から発せられた詔であるのか?仮にそうだとしても、最後の一文「適切な方策を取り定めて欲しい」は少し他力過ぎる物言いだな。
孫休に関しては、これぐらいしか逸話がないまま264年にわずか30歳で亡くなってしまったからのう。彼が長生きしていたらどんな君主になっていたのか。それはもう知りえない事柄じゃな。
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