さて、今回は桓階の紹介2回目じゃな。ここから曹魏時代のエピソードじゃな。とは言え彼は案外語ることは少なそうなんじゃがの。
さて、今回は桓階の紹介2回目じゃな。
どうも、張郃だ。いよいよ魏に来てからの桓楷殿の紹介だな。楽しみだ。
それにしても、魏の人物はどんどん出てきますねえ。
王朗や華歆に続き、じゃからな逆があまりないと言うのが、如何に魏に人が集まっておったか、と言うことの裏返しでもあるじゃろうな。
人物紹介
曹操配下として
さて時代は曹操が荊州を制圧した頃の話じゃな。曹操は桓楷が張羨のために画策したと聞いて、彼を評価し召し出して丞相掾主簿とし、後に趙郡太守に昇進させるんじゃ。
魏が建国されると虎賁中郎将・侍中となったんじゃ。
この頃まだ曹操の後継者は決まっておらんかったんじゃな。曹植が寵愛されておったが、桓楷は度々曹丕の徳が優れ、年齢が上であることから、太子とするのが当然である旨上申するんじゃよ。
これは公の場や内密に諌言したり、懇切を極めた、とのことじゃな。また、毛玠と徐奕は剛直な性格で仲間が少なく、西曹掾の丁儀によく思われず、彼らの欠点をあげつらったんじゃ。じゃが桓階が弁護してくれたおかげで彼らは安全を保つことができたんじゃよ。
人の美点を後押しして伸ばしてやり、欠点を匡正し補ってやる。まさに輔弼の臣たるにふさわしい人物ではなかろうか。
そして桓楷は更に昇進して尚書となり、官吏の選抜を担当するようになるんじゃよ。
曹操の危機に際して
さて、そんな曹操に危機が訪れるんじゃ。漢中を劉備に奪取され、更に荊州方面で関羽が北上し、大雨のために曹仁が関羽に城を包囲され、于禁も捕らえられるという非常事態じゃな。
この時、曹操は徐晃を派遣して曹仁を救援させたが、包囲は解けんかったんじゃ。
そこで曹操は自身で南方征伐に赴こうと考え、群臣に意見を求めたんじゃ。
群臣達が曹操自身が征伐に向かわないと敗北するでしょうと言う中、桓楷は次のように言うんじゃよ。ここからは曹操とのちょっとした問答じゃな。
桓楷「大王には曹仁らが事態に対処できるとお考えですか、できないとお考えですか?」
曹操「できる。」
桓階「大王には二人が力を発揮しきれないのを懸念されているのでしょうか。」
曹操「そうではない。」
桓階「さすればどうしてご自身で行かれるのですか。」
曹操「わしは敵の軍勢が多く、徐晃達の勢力ではうまく行かないことを懸念しておるのじゃ。」
ここで桓階が畳みかけるんじゃ。
桓階「今、曹仁らは幾重もの包囲の中におりながら、死を賭して二心を抱かないのは、実際大王が遠方から威圧をかけておられるからです。
そもそもほとんど助かる見込みのない状況にあれば、必ず死を覚悟して戦う気持ちを持ち、心中死を覚悟して戦う気持ちを持てば、外部から強力な救援があるものです。
大王には六軍をおさえて余力をお示しになりながら、どうして敗戦を心配されてご自身で行こうとされるのですか。」
ここでの逸話だが、既に桓階は過去、張羨の下で決死の抵抗を一度しているから、余計に説得力があるのだろうな。もっともあの時は張羨が病死と言う事態により、最後まで抵抗はできんかったが。
曹操もこの桓階の進言を良しとして摩ヒの地に駐屯したんじゃ。
後は皆も知っての通り、徐晃は関羽を撃退し、また呉が荊州を奪い取ったことで関羽は退却していったんじゃよ。
郭嘉のような派手な進言がある訳ではないが、賈詡同様、曹操の能力を高く評価し、また曹操が迷うような場面で的確な助言をする。
彼もまた曹魏になくてはならん人物じゃろうな。さて、今回はここまでじゃな。良ければ次もまたご覧くだされい。
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