さて、今回は桓階の紹介、3回目じゃな。ここからは文帝時代の話が中心となる訳じゃが、他にもちょっとしたエピソードを紹介するぞい。
さて、今回は桓階の紹介、3回目じゃな。
どうも、張郃だ。桓階殿は良い意味で目立たない、と言うか自身の才をひけらかさない人物だからな。
私は全然知らない方だったんですが、随分生真面目な方、と言う印象を受けました。それと優しそうですね。
まあ、仁徳あふれた人物であったのは確かじゃろうな。それでは続きを見ていくとしようかのう。
人物紹介
徐奕を推薦
さて時代は曹操が亡くなるちょっと前の話じゃな。曹操が漢中に赴いておった時に、鄴において魏諷と言う人物らが反乱を起こそうとしたんじゃよ。
事前にこれは発覚し、防ぐことに成功したんじゃが、このために中尉の楊俊は左遷されたんじゃ。
曹操は嘆息して言ったんじゃ。
「魏諷に思い切って氾濫する気持ちを起こさせたのは、わしの爪牙となるべき臣に悪事を留め、たくらみを防ぐものがなかったためだ。何とかして諸葛豊のような人物を手に入れて、楊俊と交代させたいものだが・・・。」
そこで桓階は言うんじゃよ。「徐奕はそのような人物です。」
曹操はそこで徐奕を中尉に任じるんじゃよ。
ここで名前の挙がっている諸葛豊は前漢の時代に生きた人物で、司隷校尉だった人物だな。剛直な性格で権力者と言えども法を犯せば容赦なく取り締まったという。言うまでもないが諸葛亮達の先祖に当たる人物、と言われている。
文帝即位後
さて、時代は曹丕へと代替わりした時じゃ。この頃尚書であった桓階は曹丕の皇帝即位のために尽力しておったんじゃ。その功が認められたのか、曹丕が即位した後は尚書令に昇進し、高郷亭侯に取り立てられ、侍中の官を加えられた、とあるんじゃ。
じゃがほどなくして桓階は病に倒れるんじゃよ。
曹丕は自身で見舞い、彼に向って言うんじゃ。「わしは幼少の子を託し、天下の運命を卿に預けるつもりなのだ。頑張ってくれよ。」
じゃが、ついに桓階は逝去してしまうんじゃな。彼の死に曹丕は涙を流し貞侯と諡したんじゃよ。
曹丕にとっては後継者問題で後押しをしてくれ、更に皇帝即位のために尽力してくれた人物じゃったから残念じゃったろうな。
桓階の意外な交友関係
さて、そんな桓階じゃが、意外なところに交友関係があったんじゃ。
まずは後に蜀の名臣となる劉巴じゃな。実は曹操が荊州に侵入した時期、一時的に劉巴は曹操に仕えておったんじゃよ。
曹操は最初桓階を派遣して荊州南部の郡を平定させようとしたんじゃ。じゃが『零陵先賢伝』によると、桓階は自身にはその才がないと辞退し、自身より優れた才の落ち主であると考えておった劉巴を推薦するんじゃな。
謙遜でなく、そう考えておったのだと思えば、劉巴の才が如何ほどであったのか気になるところではあるな。
さてもう一人、相手は孟達、と聞くとすぐ分かるじゃろうか。蜀から魏へ寝返り、第一次北伐の際に再び蜀へ寝返ろうかとして、司馬懿に討たれた人物じゃな。
あれ、孟達なんて裏切り者の代名詞みたいな人物じゃないですか。桓階さんの人を見る目も案外だった、と言うことなんでしょうか?
バカなことを言うな。そんな単純な話な訳があるか。良いか、そもそも組織と言うものにはどうしたって派閥のようなものができる。孟達は曹丕殿に気に入られ、夏侯尚殿・桓階殿と親交があった。
だが彼らがいずれも亡くなり、魏国内に立場がなくなればどうなるか、それが分らぬほどお主は愚かではあるまい。
す、すいません。張郃さんが言いたいのは、孟達は諸葛亮の誘いもあり、反乱する方向へ誘導されていった、と言うことですか。
そうじゃな。同国内でも派閥争いがある訳じゃ。魏呉蜀関係なく、どこも多数派は自分たちがよりやり易くするために、少しでもスキがあれば少数派を叩き潰す方向へ持っていくものよ。現代の企業や政治舞台でも似たような話は幾らでもあるじゃろう。
当たり前の話じゃが、誰も最初から裏切ることを考えている訳ではない。結果を知っている後世の人間が孟達は裏切り者、と言うレッテルを張り続けているだけ、と言うことを理解しておくことじゃな。
確かにそうですね。張郃さん、桓階さんに対して失礼なことを言って申し訳ありませんでした。
いや、俺も少し言い過ぎた、申し訳ない。
孟達の件で少しアツくなってしまったが、もし桓階がもう少し長生きしておれば、孟達はあの用な最後は迎えなかったのではなかろうか。曹丕だけでなく、孟達にとっても非常に残念だった訳じゃな。
さて、そんなところで人物評価は終わりじゃな。続けて能力評価と行こうかの。彼は全作品に登場じゃな。
能力評価
桓階は孫堅に仕え、彼が死んだときは遺体を引き取るために尽力する等義の人であると言えよう。また曹操の将来性を見通した先見性や、関羽との戦いで軽挙を控えるよう進言する等、重要な場面で重要な進言を行っておることから知謀と政治共に高めじゃな。
ただ、軍事面の実績はほとんど見えてこないため、こちらは抑え目な評価じゃな。
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雑談ぢゃ
さて、桓階の能力評価じゃな。
ほう、これまたお主と他の作品で別れたな。他は皆政治が一番高い。
師匠だけ知謀が高いのですね。なんで知謀を高くしたのでしょう。
いや、普通に進言を考えれば知謀は高くておかしくなかろう。もっとも役職を見ていけば政治向きの能力になるのも分かるがのう。
なるほど、官位で見ていくか行動で見ていくかで多少評価は変わる、と言うことだな。それなら分かり易い。桓階殿の役職は参謀ではなかったからな。
そうじゃな、まあ、じゃから視点が違うだけで、桓階が名臣である、と言うことは変わりようがないと思うんじゃな。さて、桓階の紹介はここまでじゃな。良ければ次もまたご覧くだされ。
よし、それでは俺も帰るか、次もよろしく頼む。
張郃さん、お疲れさまでした。次もよろしくお願いします。他の人物に興味ある方は、下の索引からご覧くださいね。