三国志に釣られクマー

三国志に釣られクマー

三国志好きの三国志好きによる三国志好きのための何か

曹爽(そうそう) 字:昭伯(?~249)その4

さて、今回も曹爽の続き4回目、今回が最後じゃな。今までは彼と直接関わりのある人物について見てきたが、今回は意外な人物の話でシメるとするかのう。

 

案内人 

くまの爺・・・三国志好きのタダの爺さん、もちろん某く〇モンとは何も関係ない(それ以上はいけない)。三国志好きが高じて史書に載っているほぼ全ての武将のDB化をしてやろうと大それたことをもくろむ。終わりの目途は・・・全く立っていない。

弟子・・・師匠の無茶な道楽に付き合わされる可哀そうな弟子。最近は張郃とのやり取りが多いせいか、無駄なツッコみは減っている模様。実は弟子と書いて「ていこ」と言う名前だったりする(師匠は最近思い出したようだ)。

張郃・・・くまの爺が一番好きな武将とお話ししたい、と謎の技術で召喚された可哀そうな人物。もっとも本人は現代生活を結構楽しんでいるよう。無理やり召喚されたためか、くまの爺の持ってる範囲の記憶しか残っておらず、ちょっと残念。 

四方山話 

さて、今回は曹爽の続き、今回が最後じゃな。今回は意外な人物の曹爽そして司馬懿に関する評論なんじゃ。その人物とは・・・。

費禕であろう。彼は「高平陵の変」についての考察を行っているからな。  

先に言われてしまったが、張郃殿の言う通りじゃ。彼は甲乙二論を挙げて、この変についての考察を行っているんじゃよ

昨日言われていたのは費禕のことだったのですね。

そう言うことじゃな。昨日が思ったよりもボリュームがあったから、もう一回続けることになったんじゃ

人物紹介

甲論

曹爽兄弟は凡庸な人間であったが、いやしくも皇族のはしくれとして、明帝の遺名により後事を託されたのである。

それなのに驕慢・豪侈は分を越えてとめどなく、いい加減な人物と付き合い、個人的党派を作り、国家を乱そうと図った。

司馬懿は奮い立ち、その罪をとがめて討伐し、一朝にして一味を掃滅した。

その行為は任務にふさわしく、士人や民衆の期待に沿ったものである。

(『費禕伝』裴注『通語』)

一応司馬懿のやったことに筋は通っているように思いますが・・・・。

む、どうした。何か引っかかる部分でもあるのか? 

そうですね・・・いえ、もう一つの乙論の方をまずは見ましょうか。

乙論

司馬懿曹叡が後事を自分一人に託さなかったのを遺憾に思ったとしても、一体曹爽に何の関係があろうか。

権力を独り占めにできなかったので、ひそかに過失を探して問題にしたのであって、忠告・直言して諭すことなど全くなく、一朝にして殺戮を行い、その無警戒に付け込んだ。国家を治め根本を重視する大人物の所行と言えようか。

もし曹爽に本当に反逆の心があったとするならば、大逆の準備既に整い、軍兵の出発する日になって、(その手助けでもするように)芳(天子)の身柄を曹爽兄弟に委ねておいてから、司馬懿父子は城門を閉ざして挙兵し、芳に迫ったのだから、芳の身柄が絶対安全とは限らないのだ。主君のために十分配慮する忠臣の態度と言えようか。

この事から推し量れば、曹爽に大悪がなかったのは明らかである。

もしも司馬懿が曹爽の豪侈・僭上を理由に彼の位を廃したり、刑罰に処したりしたのならば、それはそれで良いであろう。

その乳飲み子まで殺して、非道の名を被せ、子丹(曹真)の血統を絶やし、魏王室の婿に当たる何晏(曹操の夫人の連れ子で、曹操の娘を娶った)まで一緒に殺戮しているのは、司馬懿の僭上の態度と刑の乱用を示すもので妥当さを欠くものと言えよう。

(『費禕伝』裴注『通語』)

読んでいて、納得しました。そうです。曹爽達が誅殺されるには、彼らが反逆している明確な証拠がなければおかしいのですよ。

よく気が付いたな。蜀においても諸葛亮の最大のライバルであった李厳は第四次北伐の折、諸葛亮の足を引っ張るようなことをし、庶民に落とされているが、そこまでだ。曹爽達が殺害される理由が(でっちあげらしき)反逆計画以外見当たらんのだよ。 

そうなんです。実質的な権力が奪われたとは言え、司馬懿の命を脅かされたわけではありませんし、皇帝権力も脅かされてはいないのです。本当に脅かされていたのなら、皇帝の身柄を曹爽兄弟に預けた状態での反乱は、どう考えても納得がいかないんです。

まあ、それぐらいなりふり構わずやらないと、と言う危機感が司馬懿側にはあったのであろうな。 

そうは言ってもやり過ぎだと思います。

恐らく費禕も同じ気持ちだったのであろう。だから乙論の方がはるかに長く、甲論の内容を論破するような形で書いたのだろうな。 

乱世の倣い、とは言え残念な話じゃな。ワシもどちらかと言えば乙論寄りの意見になるんじゃが、実際どう思うかは読んだ人それぞれじゃと思うんじゃ。

曹爽は国家運営できるような器量ではなかったかもしれないが、三族皆殺しに遭わねばならん程非道であったか、皆さんはどうお考えじゃろうかのう。

さて、この費禕の甲乙論をシメとして、曹爽の紹介を終わらせるとしようかのう。それでは次もまたご覧くだされい。

 

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