三国志に釣られクマー

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三国志好きの三国志好きによる三国志好きのための何か

雑談回その11

さて、久しぶりの雑談回じゃな。今回は二つばかりのお話と行こうかのう。

 

雑談ぢゃ

さて、弟子よ、久しぶりの雑談じゃな。

今日は何の話ですか?またシンデレラグレイ絡みでしょうか?

そうじゃな、一つはそちら方面の話じゃな。丁度この間漫画の方が天皇賞(秋)が終わったんで、実際のレースとの比較をやっていこうとしようかの。それともう一つはるろうに剣心じゃな。

ああ、抜刀斎のお話ですね。そう言えば今映画やっているんでしたね。

そうじゃ、まだ見に行っておらんがなかなか評判がよさそうでな、時間を取ってそちらも一度見ておこうと思うんじゃが、今回はそれとはちと違う話じゃな。

それは原作の漫画の方のお話、と言うことでしょうか?

いや、もう一つの劇場版、OVA作品の方じゃな。もう20年ぐらい前になるから知らん人も多いが、これは多分傑作と言っても良い作品じゃと思うからのう。せっかくの機会じゃからちと紹介しようと思うんじゃ。

師匠がそこまで推す作品ですか、ちょっと気になりますね。

それじゃまずはシンデレラグレイの方じゃな。

天皇賞(秋)回顧録

スタート時の位置取り

さて、スタート時じゃがタマモクロスはすっと出て2~3番手の位置、オグリは中団でタマモを前に見るような感じじゃな。

オグリはいつも通りじゃが、タマモは普段は後方から追い込むことが多く、この位置取りは当時でもかなり驚かれておったんじゃ。タマモの調教師の小原氏もかかったか、これはアカン、と思ってこれじゃあ直線で垂れる、と言ったそうなんじゃ。

じゃが、鞍上の南井騎手は違った感触だったようで、馬に合わせたらすんなりいい位置につけたので、そのまま行った、とのことなんじゃな。特に馬と喧嘩することもなく折り合っておったのは確かなようで、他の騎手に言わせると「タマモがかかってたか、だって?馬鹿言っちゃいけないよ。がっちり折り合ってて、付け入るスキなんかまるでなかったよ。」とのことなんじゃな。

漫画の方はそれぞれの騎手の心理描写をウマ娘に語らせておるような感じなんじゃが、おおよそ騎手の心理状態をうまく表現しておった、と思うんじゃ。この辺り本当によく調べて描いておるのう。

唯一違うのは、タマモとオグリは確かに互いを意識しておったが、タマモ側はオグリがどの程度で来るのかの足を測り、後は何時仕掛けるか、のタイミングを計るだけで良かった、と言う点じゃな。

さて、そのまま折り合った流れで最終コーナーを回りいよいよ直線の攻防じゃな。

直線の攻防

さて、最終コーナーを回って直線の攻防じゃ。外からすごい勢いでオグリは進出してくるのは漫画も原作の方も一緒じゃ。

この辺りは道中特に不利もマギれもなく、互いの思惑通りにコトが運んでいると言ってええじゃろうな。

タマモもスパートにはかかっているが、オグリの勢いの方が上に見えたのは確かじゃ。じゃが実はここにはからくりがあって、オグリが2~3馬身のところに迫ってくるまで、タマモは鞭を使わず手綱をしごいておっただけなんじゃな。

つまりじっとスパートするタイミングを計りながら足を溜めておった訳じゃな。そしてオグリが追い付こうかと言うところで初めて鞭を使い、一気にギアを上げたんじゃ。

これが漫画で言うと、オグリに迫られて苦しくなってたタマモが覚醒し、丁度領域(ゾーン)に入ったタイミングじゃろう。ここでタマモとオグリの足色が同じか若干タマモの方が上になって差が詰まらなくなり、ばてたオグリが最後少しよれるような形で内に入り込んだところで決着だったんじゃ。

オグリも良く追い詰めたが、タマモの方にまだ余力があり、天皇賞(秋)タマモクロスの完勝じゃな。

オグリとタマモの違い

両者の走りぶりを見ていくと、それぞれの特徴が見えてくるんじゃ。

タマモは後方からの追い込みを得意とする、と一般的に言われるんじゃが、実は結構自在に位置を変えており、第三から最終コーナー辺りでは既に前目に取り付いていることが多いんじゃ。

通常の追い込みと言うと直線だけで大外から突っ込んでくる、とかのタイプも多いんじゃが、こう言う馬は道中のペースや位置取りで前が塞がる等、取りこぼすことも多いんじゃ。しかしタマモの場合は道中自ら動いて先団に取り付き、良い位置を取れることが多いから簡単に抜け出せるんじゃな。

元々馬体が440㎏台と、牝馬のように華奢だったことを逆に生かし、一旦前が塞がった状態でも内外を自在に動き、馬群をすり抜けるような走りもできるんじゃ。この自在性の高さこそが、実はタマモクロスの強さの秘訣じゃなかろうか。

この部分においてオグリはちと不器用なところがあるようじゃな。オグリは490㎏を超えるような馬格があり、持続する末脚ではタマモと互角なんじゃが、小回りはあまり利かんようなんじゃ。

両方の馬に乗った南井騎手はタマモは反応が良すぎるから気を遣う、と表現する一方でオグリはパワフルだけど加速に少しだけ間がある、と言う表現をしているんじゃな。

じゃからオグリは一旦前が詰まったりする等の不利を被ると、立て直しが結構大変なんじゃと思うんじゃな。そう考えると元々長く持続する速い足があるんじゃから、前が詰まる恐れのある中団に下手に待機させるより、例えばサイレンススズカのように、最初から前目で気分よく走らせる方がもっとすごい結果を残せたのかもしれんのじゃ。

ちなみにタマモは本格化してからの10戦中実に8戦でラスト4F(800m)の最速タイムを叩き出しておるんじゃ。800と言うことはコーナーを回っておる途中から加速しておることになるので、コーナーワークが抜群にうまかったことが伺えるのう。

タマモクロスの走っているレースの実況を見ると、本当によく、「内からするすると」と言う表現が出てくるんじゃ。道中後方にいたり、外を回っていたのが気が付けば内に潜り込んでいる。タマモの位置取りはかなり面白いんじゃよ。 

るろうに剣心~追憶編~

さて、もう一つの追憶編じゃが、こちらは会話形式で簡単に説明しようかの。こちらは元々30分のOVA作品として4本作られたんじゃ。

4本と言うと丁度2時間程度ですね。TV作品の続きではなくOVAになったのは何か理由があるんでしょうか?

そうじゃな、追憶編は幕末の人斬りだった頃の剣心が描かれておるんじゃ。当然描写もそれに合わせた凄惨なものじゃから、あれはそのままTVでは流せんじゃろうな。

それは確かにそうかもしれませんね。それで師匠がおススメするポイントは何でしょうか。

うむ、基本全部、と言いたいところじゃが、まずは殺陣の凄まじさじゃな。人が斬られるシーンで、あそこまで徹底的に表現した作品はなかなかないんではなかろうか。

そこまで凄まじいものなのですか?

そうじゃな、例えば刀で突いた相手に対し、致命傷とするために刀をひねる。また返り血を浴びないように相手の袖とかで出血部を抑えるような表現等、非常に細やかに殺陣を描いておるんじゃ。繊細にして凄惨、そんな殺陣はなかなか見れんぞい。

それはちょっとすごそうですね。人によっては見れない、とかなりそうですね。でも当然それだけじゃないんですよね。

もちろんそうじゃな。殺陣のシーンを動とするとそれ以外の日常描写が静となるんじゃが、そこの使い分けが非常に秀逸なんじゃよ、例えば最初にOVA4本で作っていると言っておったじゃろう。

そう言えば言っていましたね。4本と言うのも意味があるんですか?

うむ、日本は四季があるじゃろう。このOVAの四本はそれぞれが春夏秋冬の出来事として一本一本描写されておるんじゃよ。

二本目だったら夏の描写が、三本目は秋の話、と言う感じですか。

その通りじゃな。一本目は椿が咲く頃から春雨の描写が、二本目では祇園祭の描写が、三本目なら鈴虫の鳴く音等、映像だけでなく音からも四季の変遷が細やかに描写されておるんじゃ。

なるほど、それだけ日常を細やかに描写しているからこそ、殺陣の場面も映える、と言うことですね。

そしてもちろんきちんと作られたストーリー、ここは原作の力が大きいじゃろうな。それを壊すことなく見事に二時間の中に納めておるんじゃ。

普段から師匠はあまり悪く言うことはありませんが、それにしてもべた褒めに近いですね。

そうじゃな、時代劇もののアニメで言うと、ワシの中では未だにこの作品を凌駕する作品は見たことがない、と言えるじゃろうな。と言ってもそんなに見た本数がある訳でもないがのうw

そうなると今公開中の実写の方も気になるところですね。

実写には実写の良さがあるし、予告を見る限りかなり追憶編を意識した作りになっておるように見えるから、これはこれで楽しみじゃな。特に邦画実写は最近苦戦が多いからのう。かなり期待しておるぞい。と言ったところで今回はここまでかのう。

師匠的には実写の方も大成功を収めてもらい、更にかつての名作にもスポットが当たるようになってもらいたい、と言ったところですかね。

そうじゃな、丁度シンデレラグレイで言うオグリとタマモみたいなもんじゃなw