さて、今回から董卓勢力の紹介なんじゃが、しょっぱなの紹介は董卓ではなく牛輔なんじゃ。すまんのう、これには董卓勢力独特の組織であるが所以なんじゃよ。
さて、今回紹介する人物は牛輔じゃな。
上でも書いていますが、董卓勢力の紹介なのに董卓の紹介じゃないのですね?
うむ、今回の董卓は他の勢力にはない、州をまたいで勢力を持っておる唯一の群雄じゃ。しかも、複数の郡にまたがって拠点を持っていることが判明しておるので、拠点ごとの順番から紹介しようと思うのじゃ。
ふむ、この時牛輔は弘農郡の陝県に駐屯していることから、司州の空白地にいたわけだな。
さよう、董卓軍の前線基地、と言ったところじゃな。
前線と言うことは有力武将が揃っていた、と言うことでしょうか?
そういうことじゃな。楊奉のところで少し名前の出ておった李傕や郭汜等もここに所属しておるぞい。後、超ド級の大物もここにいるんじゃ。
むむむ、ちょっと気になりますね、とは言えまずは牛輔から紹介をお願いします。
うむ、それでは牛輔の紹介と行こうかの。
人物紹介
牛輔の人物像
さて、牛輔の人物について見ていこうかの。
『董卓伝』をみると牛輔は董卓の娘婿と書いてある。このことから世代としては董卓よりも一つ下になるかのう。この時の階級は中郎将で、階級としては飛びぬけて高い訳じゃないんじゃ。
董卓は当初配下の者にあまり高い階級を与えず、名士達を取り立てようとしたようじゃが、この辺りからも伺えるのう。
さて、陝に駐屯しておった牛輔じゃが、校尉の李傕、郭汜、張済を分遣して、陳留・潁川の諸県を攻略させていたんじゃ。
じゃが董卓が殺されることで転機が訪れるんじゃな。
董卓が殺害されると、呂布は先手を打って、李粛を陝へ向かわせ、勅命によって牛輔を処刑しようとしたんじゃ。
牛輔を処刑することで、前線の部隊を瓦解させようという狙いじゃな。王允の入れ知恵かもしれんが、呂布は案外こういう細かい策を使ってくるんじゃな。
臆病な牛輔
さて、牛輔率いる軍団崩壊の危機じゃが、牛輔等は李粛を迎撃し、これを打ち破ることに成功するんじゃ。
しかし、このことから牛輔の悪い面が顔をのぞかせるんじゃよ。
『魏書』によると、牛輔は李粛の一時から恐れ怯えて職責を果たすことも忘れ、不安でいたたまれない様子であった、とあるんじゃ。
常に兵士召集の割符を握り締め、刑罰用の斧と首斬り台を自分の側に引き寄せて、自ら力付けようとしておったんじゃ。
しかも客と会うときには、人相見に占わせて、反逆の気があるかないかを判断し、更に筮竹を用いて、吉凶を占ってからやっと会見した、と言う念の入れようじゃ。
牛輔の最後
この筮竹の犠牲となったのが中郎将の董越と言う人物じゃ。董卓との姻戚関係は不明じゃな。
彼が牛輔のもとに身を寄せてきた時、牛輔が筮竹で占わせると占者が「火が金に克ち、外が内を図る(外から来た者が内にいる者にたくらみを持つ)と言う卦です。」
これを聞くと牛輔は迷わず、即刻董越を殺害した、とあるんじゃ。
臆病な人物だが、こういう部分は思い切りが良いんだな。いや、疑心暗鬼だからこそ、わずかな憂いの目は速攻で摘み取る感じなのか。
じゃが実は、この話にはからくりがあったようなんじゃ。『献帝紀』によると、この占者は常日頃から、董越にムチ打たれていたようなんじゃ。そしてこの時の占いを利用して復讐した、と言うことじゃな。
自業自得とは言え、どれだけ牛輔陣営が混乱していたか、手に取るようにわかる話じゃのう。
その後、夜間反乱を起こし逃亡する者があり、陣中は大騒ぎとなったんじゃ。牛輔は全部が反乱したと思い込み、金や宝を持って、かねて厚遇していた攴胡赤児ら、五、六人だけを供に連れ、城壁を乗り越えて北に向かい黄河を渡ろうとしたんじゃが、攴胡赤児らはその金や宝に目がくらみ、牛輔の首を斬って長安に送ったんじゃよ。
李粛を破っているように普通に軍を率いての力量はそこそこあったと思うんだが、これだけ陣中を混乱させてはいかんな。
そうじゃな、臆病すぎて指揮官としての職責を全うできんのはいただけんのう。さて、牛輔の人物紹介はここまでじゃな。続けて能力評価と行こうかの。今回は全作品に出ているようじゃ。
能力評価
牛輔は李粛を破ったり、関東諸侯と対峙していたことから将としての実力はそれなりにあったと思うんじゃ。そこで軍事を高めとしておるんじゃ。じゃが筮竹などで将としての責務を果たさず、配下を信頼できなくなり、陣中を大混乱に落としたこと、そして噓の占いに騙され、董越を殺害したことなどから、軍事以外の評価は抑え目じゃな。
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雑談ぢゃ
さて、牛輔の能力評価じゃ。
ふむ、どの作品でもあまり高い評価ではないようだな。
天舞さんだけは統率、と言うか采配が一番高いですね、ただ人徳が低いから結局はトントンですかね。
そうじゃな、臆病すぎる性格がちとマイナスに働いておるのう。
あまりに無謀な戦いをやられても困るが臆病すぎても困る。この辺りの平衡感覚は難しいがな。
そう言うことじゃな、李粛を倒しておることから実力張ったと思うんじゃが、もったいないのう。さて、長くなってしまったが牛輔の紹介はここまでじゃな。面白かったならば次もまたご覧くだされ。
よし、それでは俺も戻るかな、次もまたよろしく頼むぞ。
良ければ次もご覧ください。それと他の方で興味ある方がいらっしゃったら、以下の索引をご覧くださいね。