さて、今回紹介する人物は孫基じゃな。彼は二宮の変で自殺させられた魯王孫覇の息子の一人。魯王も不幸な人生であったが、その息子である孫基もなかなか波乱の人生を送っておるようなんじゃよ。
案内人
くまの爺・・・三国志好きのタダの爺さん、もちろん某く〇モンとは何も関係ない(それ以上はいけない)。三国志好きが高じて史書に載っているほぼ全ての武将のDB化をしてやろうと大それたことをもくろむ。終わりの目途は・・・全く立っていない。
弟子・・・師匠の無茶な道楽に付き合わされる可哀そうな弟子。最近は張郃とのやり取りが多いせいか、無駄なツッコみは減っている模様。実は弟子と書いて「ていこ」と言う名前だったりする(師匠は最近思い出したようだ)。
張郃・・・くまの爺が一番好きな武将とお話ししたい、と謎の技術で召喚された可哀そうな人物。もっとも本人は現代生活を結構楽しんでいるよう。無理やり召喚されたためか、くまの爺の持ってる範囲の記憶しか残っておらず、ちょっと残念。
四方山話
さて、今回は孫基の紹介じゃな。上でも書いているが孫覇の息子の一人じゃな。
二宮事件の関係者ですが、孫覇に連座して、と言うことはあったんですか?
さすがにそこまでのことはないな。だが肩身が狭かったのか、この孫基、後に事件を起こしている。
境遇がそうさせたのか、元々そう言う性格であったのかは分からんがのう。とりあえずは彼の事跡について見ていくとしよう。
能力評価
さて、それでは各項目について見ていくとしようかのう。
軍事・統率・知謀・政治
さて孫基じゃが、彼については孫覇のところにしか記録はなかったんじゃよ。
(孫覇が亡くなった後)五鳳年間(254~256年)に、孫基は呉侯に封ぜられた。孫基は、宮廷に仕え、(皇帝)孫亮の側近くに侍していた。(『孫覇伝』)
普通に侯に封ぜられていたのですね。思ったよりも良い待遇を得ていた、と言うことでしょうか。
でもこれだけですと何も事件は起きていませんね。
慌てるな、それはこれから書いていくところだ。
太平二年(257年)に、皇帝の御馬を盗んで乗った、と言うことで、獄に下され裁判に付された。
孫亮は侍中の刁玄に尋ねた。「御馬を盗んで乗った罪はいかほどか。」
刁玄が答えた「その罪科は死刑に当たります。ただ、魯王様も早く亡くなっておられますことゆえ、どうか陛下にはお哀れみを垂れられ、孫基様をお赦しくださいますように。」
孫亮が言った。「法と申すものは、天下の全ての者に平等に適用されるものだ。どうして身内の者だからと言って、特別の配慮をしてやることができよう。」(『孫覇伝』)
え、もう孫亮は怒り心頭で、孫基を処刑する気なんでしょうか。
(師匠め、茶番をしよって・・・)安心しろ、孫亮の発言には続きがある、それを見れば彼の真意が分かるはずだ。
孫亮が続けて言った。「お前は彼の罪を赦してやることのできる(法律的な)道を考えるべきであって、どうして私に感情論で迫ろうとするのか。」
刁玄が言った「元来、恩赦にはその範囲に大小がございます。ある場合には天下全体に及び、また千里、五百里と言った範囲の恩赦もあって、その及ぶ範囲は陛下の御意のままです。」
孫亮が言った「人を納得させるにはそうでなくてはならぬ。」
そこで宮中の範囲で恩赦を行い、孫基はそのため刑を免れることができた。(『孫覇伝』)
良かった。孫亮も本当は彼を救いたかったのですね。
ただ、法は平等、と言いながら恩赦は皇帝の思うがまま、と言うのは何だかちょっとずるしているような感じがしますね。
そうか?元々皇帝は天の意志として存在しているものだ。天の意志、つまり天変地異等は人の制御できる物ではなかろう。
法などは所詮人の作り出した物、そんなもので天を縛ることなど不可能な話だ。
でもこれで、孫基も平穏に生きていくことができますね。
ふ、ところが知っているかな。呉最後の皇帝になった孫晧は二宮事件で孫覇と後継争いをした孫和の息子だ。次が本当の終幕だ。
孫晧が即位すると、孫和と孫覇の仲が悪かったことを取り上げて、孫基の爵位・封国を削り、祖母の謝姫と共に会稽郡の烏傷県に強制移住させ、そこに押し込めた。(『孫覇伝』)
あら、結局こんな終わりになってしまったのですね。
まあ孫晧に睨まれて、命があっただけでもうけものだったのかもしれないな。
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簡単解説
それにしても確かにおっしゃる通り、波乱万丈な人生だったのですね。
とは言えやっていることがしようもなく、それで危うく処刑されかけた訳だからな。
お主の師匠も高い評価を付けるわけにはいかなかったのだろうな。
おっしゃる通りじゃな。ただ孫亮が助けようと考えたことから、魅力はある程度あると考え、統率は少し高めとしたんじゃよ。さて、孫基の紹介についてはここまでじゃな。
よし、それでは自分も帰るとするか。
張郃さん、今日はお疲れさまでした。次もまたよろしくお願いしますね。