さて、今回は三国志の時代を代表する天才児、曹沖の紹介じゃな。彼の知謀の冴えは父である曹操をも凌駕するほどのモノがあった、とも思われるほどだったんじゃよ。
案内人
くまの爺・・・三国志好きのタダの爺さん、もちろん某く〇モンとは何も関係ない（それ以上はいけない）。三国志好きが高じて史書に載っているほぼ全ての武将のDB化をしてやろうと大それたことをもくろむ。終わりの目途は・・・全く立っていない。
弟子・・・師匠の無茶な道楽に付き合わされる可哀そうな弟子。最近は張郃とのやり取りが多いせいか、無駄なツッコみは減っている模様。実は弟子と書いて「ていこ」と言う名前だったりする（師匠は最近思い出したようだ）。
張郃・・・くまの爺が一番好きな武将とお話ししたい、と謎の技術で召喚された可哀そうな人物。もっとも本人は現代生活を結構楽しんでいるよう。無理やり召喚されたためか、くまの爺の持ってる範囲の記憶しか残っておらず、ちょっと残念。
四方山話
さて、今回は曹沖の紹介じゃな。曹操の優秀な息子たちの中でもピカ一の天才児だった人物じゃよ。
あの曹丕でも曹沖が生きていれば、後を継げなかったと言うぐらいの子ですよね。
そうだな、丞相は間違いなく彼を後継者にしようかと考えていた。それぐらい才知あふれた人物であった。
武勇なら曹彰、詩才なら曹植、政治なら曹丕と、限定的に曹操をこえる息子は出ているが、複数の分野で父を超えていたのは、この曹沖を除いていないのではなかろうか。と言うことで能力から見ていくとしようかのう。
能力評価
さて、それでは各項目について見ていくとしようかのう。
知謀
曹沖は魏志『鄧哀王沖伝』に載っているから、早速見ていくとしようかのう。
曹沖は年少ながら、聡明で理解力があり、五、六歳にして智慧の働きは成人のようなところがあった。
当時孫権が巨大な象を送り届けてきたことがあった。太祖（曹操）がその重さを知りたいと思って、その方法を臣下達に訊ねたが、誰もその原理を見出すことができなかった。曹沖は言った。
曹沖「象を大きな船の上に置いて、その水の跡が付いているところに印をつけ、それと見合う重さの物を載せれば、計算して分かりますよ。」（『鄧哀王沖伝』）
アルキメデスの原理ですね、水の浮力を利用して物の重量（体積）を測定する手法ですね。
現代なら、教育を受けたそなたたちならこの原理を理解するのは難しくないであろう。だが、当時中華ではこの原理がきちんと記録として残っていない状態で、五～六歳の幼子が思いつくだろうか。
そう考えると恐ろしいほどの才能ですね。確かに上のように高い評価となるのも納得です。
軍事・統率・政治
さて、政治に関しても彼の優れた才能が見えてくるんじゃよ。
当時、軍事上・政治上の事件が多くあり、刑罰の適用は厳重を極めた。
太祖の馬の鞍が倉庫におかれていたが、ねずみのためにかじられた。倉庫係は死刑に違いないと心配した。相談して後ろ手に縛って自首しようと考えたが、それでも助かるまいと心配した。
曹沖は彼らに向かって言った。
曹沖「三日間待って、その後で自首しなさい。」
曹沖はそれから刀で以て単衣にねずみがかじったような穴を開け、がっくりしたふりをした。愛想が彼に質問すると、心配そうな顔付きをしてみせた。太祖が彼に質問すると、曹沖は答えた。
曹沖「世間ではねずみが衣服をかじると、その持ち主に不幸があると申しております。今単衣がかじられました。そのために心配して沈んでおります。」
曹操「それはいい加減な言葉に過ぎぬ。苦にすることはない。」
突然、倉庫係から鞍をかじられた件を報告してきた。太祖は笑いながら
曹操「子供の衣服は側に置いても尚かじられている。まして鞍は柱に掛けてあるのじゃ。」
と言い、一切責任を追及しなかった。曹沖の仁愛と識見は全てこの類であった。
およそ刑罰に処せられるのが当然であるのに、曹沖がこっそりとりなしてやったおかげで救われ赦された者は前後十人あった。（『鄧哀王沖伝』）
知謀だけでなく、政治的な知見にも卓越したものを持っていたのですね。しかも人格者としても申し分なさそうじゃないですか。
そのあたりが統率や政治の評価に繋がっているのであろうな。なんにしても、統率・知謀・政治でここまで曹丞相に肉薄した人物は初めてではなかろうか。
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簡単解説
天舞三国志には出ていないのですね。
13歳で亡くなっているからな。成人せずに亡くなった人物を載せるかどうか、判断としては難しい所だ。
そう言えば13歳で亡くなっているから、実際亡くなった時の評価はもっと低めなのですね。
そうじゃな、実際には上記評価より5~10ぐらいひいた数値が亡くなった時の評価となるかのう。さて、曹沖に関してはここまでじゃな。次もまたよろしく頼むぞい。
よし、それでは今日のところは帰るとするか、次もまたよろしく頼む。
張郃さんお疲れさまでした。次もまたよろしくお願いしますね。
