さて、今回陸抗の6回目の紹介じゃな。今回は西陵の戦い以外の逸話について見ていくとしようかのう。
案内人
くまの爺・・・三国志好きのタダの爺さん、もちろん某く〇モンとは何も関係ない(それ以上はいけない)。三国志好きが高じて史書に載っているほぼ全ての武将のDB化をしてやろうと大それたことをもくろむ。終わりの目途は・・・全く立っていない。
弟子・・・師匠の無茶な道楽に付き合わされる可哀そうな弟子。最近は張郃とのやり取りが多いせいか、無駄なツッコみは減っている模様。実は弟子と書いて「ていこ」と言う名前だったりする(師匠は最近思い出したようだ)。
張郃・・・くまの爺が一番好きな武将とお話ししたい、と謎の技術で召喚された可哀そうな人物。もっとも本人は現代生活を結構楽しんでいるよう。無理やり召喚されたためか、くまの爺の持ってる範囲の記憶しか残っておらず、ちょっと残念。
四方山話
さて、今回は陸抗の西陵の戦い以外の逸話について見て、シメとしようかのう。
ほとんどずっと西陵の戦いの話ばかりでしたからねえ。
彼ほどの人物であれば、当然軍人以外の側面もあるからな。ただ、トップがあの孫晧であったのが不幸であったな。
さて、それでは早速見ていこうかのう。
人物紹介
陸遜の名誉回復
さて、まずは陸遜が亡くなった時、当時二十歳であった陸抗は父の棺を守って東に戻ったんじゃが、その際に孫権からの詰問があったんじゃよ。
(参内した陸抗に対して)孫権は楊竺が告発した陸遜に関する二十の疑惑事項について陸抗に問いただした。
他の賓客たちは一切入れず、孫権の言葉を伝える者が陸抗と対で詰問したが、陸抗は誰に相談することもなく、一つ一つの事柄について条理だてて返答した。
孫権の気持ちも、そのためにようやく解けた。
~中略~
太元元年(251年)、陸抗は都に出て病気の治療に当たった。病気が癒えて任地に戻ることになった時、孫権は涙を流して別れを惜しみ、彼に向かって言った。
「私は先に讒言を信用して、あなたの父上に対し大義に背くようなことをなし、そのことであなたに申し訳なく思っておる。
幾度も詰問の書状を送ったが、全て焚いてしまって、他人には見せないで欲しい。」(『陸遜伝』)
孫権も相当ばつが悪かったみたいですねえ。
いくら君主権力強化のためとはいえ、呉を支えてきた重要な人材を死なせてしまったからな。後ろめたい気持ちがあったのは確かだろうな。
詰問の書状を焚いて欲しい、と言うぐらいですからねえ。
恥をさらしたくない、と言う気持ちがあるのだろうな。少々ムシの良い話ではあるが。
陸抗の上奏の数々
それ以外でも陸抗はいくつかの上奏を行っておるんじゃよ。都にいなかったことから、影響力は及ぼし切れんかったと思うがのう。
陸抗は都における行政に欠けるところが多いとの情報を得ると、深く憂慮し将来のことを思い巡らして、上疏をした。
~中略~
この当時何定が権力をほしいままにし、宦官たちが政治に口ばしを入れていた。これに対して陸抗は上疏をして言った。(『陸遜伝』)
上疏した内容についてはここには記載しないが、いずれも正論を述べているな。
羊祜との関係
さて、西陵の戦いの後、羊祜も陸抗も互いの国境付近で徳と信義を修め行うような統治をおこなったんじゃよ。
両者の間では余った食料がの内に置かれたままでも、相手の国がそれを奪ったりすることはなく、牛や馬が逃げて相手の国境に入った場合にも、相手国に告げ知らせたうえで、それを捕獲できるようになったんじゃ。
陸抗が病気になった時、羊祜に良い薬はないかと尋ねてやった。
羊祜は薬を調合すると使者に渡し、陸抗は使者が持ってきた薬をそのまま服んだ。
~中略~
孫晧は二国の国境地帯で友好関係が結ばれていると聞いてそのことで陸抗を詰問した。陸抗は言った。
「一つの邑、一つの郷においてすら、信義を大切にする人物が必ずおらねばならないのでございます。まして大国に信義を守る者がおらずにいて良い者でしょうか。
臣がもし今のようにして晋に対しなかったとすれば、それはただ相手の徳を顕彰してやるに足るだけの事で、羊祜にとって何の痛手にもなりません。」(『陸遜伝』)
これは見事な切り返しですね。
晋側が徳治を行っているのに、こちらがその逆のことおやっていては、相手側の名声を高めるばかりになるからな。
実際、羊祜はその辺りを狙って、呉からの離反者を誘発しようとしているようにも見えますね。
羊祜は陸遜や陸抗、曹丞相のような戦上手と言うよりは、諸葛亮のように政略を先に立て、その延長上に軍指揮を行っている感じの人物だからな。
さて、その後もいくつかの上疏を行っているが、不発に終わったことも多いんじゃ。この辺りが陸抗の政治力の限界であろうのう。都におればもう少し力を発揮できたかもしれんが、残念じゃ。
さて、長かったが陸抗の紹介はここまでじゃな。次の人物もまた良ければご覧くだされ。
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