さて、今回紹介する人物は紀霊じゃな。字や生没年は不明じゃ。
彼は演義ではちょっとした有名人じゃのう。どちらかと言えば演義で優遇された珍しい武将じゃな。そんな彼の正史での姿はどんなもんじゃろうか。
さて、今回紹介するのは紀霊じゃな。さすがに彼は良く知っておろう。
確か関羽と引き分けたのでしたよね?
そうじゃ、最後は張飛に斬られるが、関羽と撃ち合ったことからゲームでの彼の評価は結構高いんじゃ。じゃが。
それが真実の姿ではない、と言うことですね。
何じゃ、先に言われてはつまらんのう。まあ史書の彼を見ると少し違う印象を受けるのも確かなんじゃ。
どんな評価になるか興味ありますね。
うむ、それでは早速見ていくとしようかの。
人物紹介
紀霊の出番
さて、紀霊についてじゃが、彼は正史の呂布伝の所に出てくるんじゃな。
劉備が袁術と戦っている最中に、呂布が下邳を襲撃して奪い取った後のことじゃ。呂布は劉備を小沛に駐屯させるんじゃ。
小沛は豫州の以下の辺りの地域じゃな。良く名前が出てくる(と思う)から覚えておくと良いぞい。
さて、そんな劉備にさらなる危機が迫る訳じゃな。
袁術が将軍の紀霊に歩兵・騎兵を合わせて三万人を統率させて、劉備を攻撃しようとしたんじゃよ。これにはかなわないと思ったのか、劉備は呂布に救援を求めるんじゃよ。
ここで重要なのは紀霊が率いている兵の数じゃな。三万はこの時代相当な規模で、しかも劉備が救援を求めるぐらいじゃから、烏合の衆でなく紀霊にきっちり統率された軍隊だったと言うことじゃろうな。
呂布の将軍たちは、呂布は劉備を殺そうと思っていたのだから、袁術に協力すべき、と進言したのじゃが、呂布は以下のように言うんじゃ。
「そうじゃない。袁術はもし劉備を破れば、北方太山の諸将軍(臧覇等)と連合戦線を結び、わしは袁術包囲網の中に封じ込められてしまう。ここで劉備を救援しないわけにはいかないのだ。」
かくて呂布は歩兵千人、騎兵二百人に武装を整えさせ、すぐに出撃するんじゃ。
紀霊らは呂布の到着を知ると軍勢を取りまとめ、攻撃をかけようとはしなかったんじゃよ。
軍の統率はそつなくこなす一方、呂布に対する畏怖から思い切って攻撃を仕掛けられない辺り、少し紀霊の性格や軍人としての立ち位置が見えてくるのう。
呂布の武勇伝
呂布は沛の南西一里の地点に陣を取り、紀霊を招待したんじゃ。紀霊の方でも呂布と食事を共にしたいと申し入れてきたんじゃな。
その場で呂布は紀霊らに向かって
「劉玄徳はわしの弟だ。弟が諸君のために苦しめられているので、助けに来たのだ。わしは元々争いごとが嫌いで、もめごとの仲裁が大好きなんだ。」
と言うんじゃよ。
よくも言ったもんじゃ、とも思うが、何となく呂布が言ったとなると微笑んでしまうんじゃな。これは何でじゃろうな。主君を平然と殺害する平和主義者、と言うギャップのデカさにやられてしまったのかもしれんのう。
呂布は門番の役人に命じて陣営の門の中に、一本の戟を掲げさせて言うんじゃ。
「諸君、わしが戟の小枝を射るから見ていなさい。もしも一発で命中したなら、諸君は戦闘を中止して引き上げてくれ。命中しなかったら留まって勝負を決するが良い。」
呂布が弓を取り上げて戟めがけて射ると、見事戟の小枝に命中するんじゃ。
諸将は皆仰天して「将軍は天のご威光を具えておいでです。」と言うんじゃな。
あくる日も宴会して楽しみ、双方とも軍を引き上げた、と言うんじゃ。
演義の創作でなく史書、それも注釈ではなく正史本伝にそのまんまのことが載っている、と言うのが呂布個人の武勇の凄さを物語っておると思うんじゃな。呂布が武勇トップかどうかは正直わからんが、トップにしてもいいのでは、と思わせる話じゃな。
さて後半はほとんど呂布の独壇場だったようにも思えるが、これで史書における紀霊の出番は終わりじゃな。続けて能力評価と行くぞい。もちろん彼は全作品に出ておるぞい。
能力評価
紀霊は史書を見る限りでは大軍の統率をそつなくこなす、都督タイプの将に見えるんじゃな。そのためワシの評価では統率を一番高くしておるんじゃよ。
逆に呂布が来たことで攻勢に出ることができんかったことから、猛将とは違うと思うんんじゃ。そのため軍事はやや抑え目じゃな。知謀と政治も呂布に丸め込まれたことから抑え目じゃ。もっともワシの中で呂布は結構頭が良いイメージがあるんじゃがなw
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雑談ぢゃ
さて、紀霊の能力評価じゃな。まあワシのは逆張りのような評価じゃがな。
確かに他の作品は全て武勇、武力が統率や采配を上回っていますからね。
まあワシの評価もあくまでもそつなく軍を統率しておる、と言う点だけじゃからな。
防衛任務等で目立つ実績がある訳ではありませんからね、紀霊の場合。
そうじゃな、じゃから実績重視ならもっと紀霊の評価は下がるじゃろうし、この辺りはもう思うままに能力がつけれるじゃろう。
袁術陣営の場合、統率の高い武将が少なそうですから、逆に師匠ぐらいの方がありがたいのではありませんか?
まあ、実はそう言うバランスを意識した部分もなくはないんじゃな。後、袁術は曹操や呂布にはやられているが、劉備辺りとは良い勝負をしておる。勢力としてはあまり弱いのも、と思ってしまうんじゃな。
韓浩は特別枠としても、紀霊とかはそう言う武将の代表格と言うことですね。
そうじゃな。質で足りん分は量で補う。紀霊にも軍事と知謀に優れた副将をつけてやれば、劉備軍とも十分戦えるようになるじゃろう。
この辺りは袁紹陣営とも通じる部分ですね。あちらの方が質は高いですが、足りない部分を数にものを言わせて補う方式ですね。
この辺りは自軍で操作できる状況で、能力が数値化されておることが強みとなるのう。さて、そんなところで今回はここまでじゃな。意外と言うほどではなかったかもしれんが、少し違ったイメージを持っていただけるとありがたいぞい。
次もまたよろしくお願いしますね。他に気になる人物がいましたら下から探してみてくださいね。