さて、今回紹介するのは蘇飛じゃな。字と生没年は不明なんじゃ。黄祖の都督として、またある人物にとっては命の恩人とも言える程、重要な役割を担っておった人物なんじゃよ。
さて、今回紹介するのは蘇飛じゃな。あまり知名度は高くないが呉にとって、非常に重要な役割を握っておった人物と言えような。
どうも、張郃だ。ふむ、蘇飛と言えば、あちらの情報も気になるな。
むむむ、何か師匠と張郃さんだけで分かりあった風な話をしていますね。
ほっほっほ、それほど深い話ではないがのう。じらすこともないし、サクサク話を進めるとしようかのう。
人物紹介
黄祖の都督として
さて、蘇飛は黄祖の都督として活躍していた武将だったんじゃが、彼の名前はある人物を通して歴史に名を刻むようになったんじゃよ。
呉志『甘寧伝』の裴松之注『呉書』によると、甘寧が黄祖の下に自身の食客八百人を引き連れて身を寄せておった時のことじゃ。
三年経っても黄祖は甘寧を礼遇せず、戦で活躍してもその態度は変わらなかった、と言うんじゃ。
ここで黄祖の都督の蘇飛が出てくるんじゃよ。
蘇飛は甘寧を重く用いるよう進言するんじゃが、黄祖はその意見に従わず、逆に甘寧の食客に勧誘をかけ、奪い取っていくんじゃよ。
この扱いに甘寧も黄祖の下を去ろうと考えるんじゃが、脱出は不可能と考えられ、悶々としていたんじゃ。
その気持ちを知った蘇飛は甘寧を招き、彼のために酒宴を張り、席上で言うんじゃ。
「私は度々あなたを推挙いたしましたが、ご主君はその意見をご採用になりませんでした。月日はどんどん過ぎ去っており、人生は幾何の長さもありません。
ここでぐずぐずされるよりも大きな志を持ち、己を知ってくれる主君と巡り合うことを願われるのがよろしかろう。」
甘寧はしばらく考えてから言うんじゃよ。
「その志はあっても、どうすれば良いかわかりません。」
そこで蘇飛が助言するんじゃ。
「私が上言して、あなたを邾県(ちゅけん)の長に推挙して差し上げよう。(一旦黄祖の下から離れることができれば)、どこへ行かれるのも板の上で丸(たま)を転がすよりも容易であろう。」
甘寧はこれに感謝して、何とか黄祖の下から脱出することに成功するんじゃ。
甘寧の才能を見抜き推挙できるだけの人材だ。都督であったことからも分かるように優秀な人材であることが伺えるな。
命の恩人
さて、この蘇飛の行いは後年意外な形で蘇飛に返ってくるんじゃよ。
孫権陣営に逃れた甘寧により黄祖軍の実情が暴かれ、208年の戦いにおいて黄祖、蘇飛共に追い詰められるんじゃ。
『呉書』によると孫権は前もって二つの箱を用意し、黄祖と蘇飛の首を収めるつもりでいたんじゃ。
捕まればすぐにでも首を落とされる、逆に言えばそれぐらい孫呉にとっては目の上のたん瘤であり、江夏を守る黄祖軍の重鎮であった訳だな。
さすがにこのままだと命はないと感じたのか、蘇飛は人をやって甘寧に自身のみが危ういことを伝えると、甘寧は当然のように言うんじゃ。
「蘇飛から何も言ってこなかったとしても、どうして忘れたりするものか。」
孫権が武将たちのために酒宴を設けた席で、甘寧は席を外すと、頭を床に打ち付け、血と涙を流しながら孫権に向かって言うんじゃ。
「蘇飛はかつて私に恩義を施してくれました。
もし蘇飛と出会うことがなかったならば、私はずっと以前に路傍に野垂れ死にしていたに違いなく、将軍様の麾下にあって、ご命令を奉じることはできなかったのでございます。
まことに蘇飛の首は誅戮に値する物でございますが、どうか将軍様には、彼の首を私にお預けくださいますようまげてお願いいたします。」
孫権はその言葉に心を動かされつつも、次のように問うたんじゃ。
「今あなたに免じて彼の罪を問わなかったとしても、もし彼が逃亡したらどうするのか。」
間髪入れず甘寧が答えるんじゃよ。
「蘇飛は身首ところを異にする禍いをまぬがれ、死すべき命を生かされたというご恩を受けた上は、追い立てたとしても決して逃げますまい。どうして逃亡を図ること等ございましょう。
万一逃亡いたしました場合には、私の首を代わりに箱にいれていただきましょう。」
これで孫権は蘇飛を許すこととなるんじゃよ。
さて、その後の蘇飛の動向は史書からは見えてこんのじゃが、赤壁後に孫権劉備連合軍が曹操軍と戦っている最中、関羽と「蘇非」と言う武将が楽進と戦い敗走した、と言う記述があるんじゃ。もしかしたら彼は蘇飛のことだったのかもしれんが、一応史書では別人として扱っているようなので、ここでも別人としておくぞい。
さて、それでは蘇飛の人物評価は終わりじゃな。続けて能力評価と行こうかの。彼は今回三国志14のみに登場しておるようじゃな。
能力評価
蘇飛は黄祖軍の都督として、黄祖に足りない部分を補っておったと考えたので、軍事と知謀を高めの評価としたんじゃ。特に甘寧を見出したことから人物眼は確かであり、また甘寧をうまく脱出させたことから知謀を高めとしたんじゃ。
他も決して低い訳ではなく、オールラウンダーとしてなんでもできるタイプの武将と考えられるぞい。
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雑談ぢゃ
さて、蘇飛の能力評価じゃな。
ふむ、お主も三国志14も平均的に高い感じだな。
師匠は知謀が少し高めなんですね。
そうじゃな、黄祖の都督と言うことで、黄祖に足りない部分を評価して言ったらこうなった感じじゃな。特に甘寧周りの話は策略面での優秀さを感じさせるものがあるからのう。
最後にシレッと蘇非のことも書いているが、今回は別人なのだな。
そう言うことじゃな。都督として優秀だったからこそ孫呉もわざわざ首用の箱を用意しておったのじゃろうから、あまりあっさりと敗れてもらっても困ると言うもんじゃからのう。と言ったところで蘇飛についてはここまでじゃが、如何じゃったろうか。良ければ次もよろしく頼むぞい。
よし、それでは俺も帰ろう。
張郃さん、お疲れさまでした。次もよろしくお願いします。他の人物に興味ある方は、下の索引からご覧くださいね。